アドレポ ~テープおこしの音セトラ

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何でもおすすめ! その22 ~ メルヘンの街おやべ

私の地元である富山県小矢部(おやべ)市は、散村ののどかな景観が広がる自然豊かな街ですが、実は市内には有名建築を模した保育園や小学校、中学校などが建っており、「メルヘンの街おやべ」の異名を持ちます。今回はその一部をご紹介します。

 

小矢部市立石動(いするぎ)中学校

 スイスの中世の城をモデルに、中央の時計台は英国の国会議事堂のビックベン、1階のピロティは東大法学部で、上から見ると田の字型に4カ所が吹き抜けになっています。そのようなつくりのせいか、毎年、校内で迷子になる新入生が続出します。私の母校でもあります。

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小矢部市立大谷中学校

 この中学校が取り入れているのは、東大安田講堂、東大教養学部オックスフォード大学学生寮、大阪中之島の中央公会堂、国立劇場フィレンツェの大聖堂とてんこ盛りで、かなり気合が入っています。恐らく、小矢部市メルヘン建築の中で最も多くの要素を取り入れている建物ではないでしょうか。四方が田んぼに囲まれ、田植え前の水田に映る様はまるで湖畔に佇むヨーロッパのお城に見えなくもないですし、稲が青々と育つとまるで綺麗にお手入れされた芝生を彷彿とさせなくもないです。

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武道館(脩道館)

外観は慶応大学三田図書館、正面は東大工学部のポーチをモチーフにしています。もはやヨーロッパの建築物を取り入れていません。1階が柔道場で、私は2階でよく剣道を習っていました。

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他にも多くのメルヘン建築が点在していますが、一つ目にご紹介した石動中学校は、北陸新幹線の新高岡〜金沢間で防音壁の隙間からちらりと見ることができます。金沢に向かって右手に、夜はライトアップされた校舎がオレンジ色に浮かび上がるので、とても見つけやすいと思います。今度、北陸新幹線を利用される際にはここをチェックポイントにしていただいて、ほんの少し小矢部を感じていただけると嬉しく思います。

 

<参考URL>小矢部市観光協会

http://www.oyabe.info/marchen/marchen.html

                                                                                                (TTL制作部Y.M.)

テープおこしにおける「ですます体」と「である体」

文体の問題

「テープおこし」に少しでも関わっていると次第に気になってくるのが<文体>の問題です。発話を文字として再現する場合、文体は一般的に大きく分けて「ですます体」か「である体」の二種類に振り分けられるとされています。実際、私たちもお客様のリクエストに応えてどちらかの文体を採用して文字化しています。

「ですます体」と「である体」のうち、圧倒的に多いのが「ですます体」です。なぜならば、講演であれ、インタビューであれ、会議であれ、少しでもオフィシャルな性格のある会合では、「ですます体」で語られているからです。わざわざリクエストを受けない限りは「である体」ではなく、「ですます体」で発言を再現しています。

 

 「ですます体」と「である体」の機能の違い

学校の国語の授業では、「ですます体」は敬体、「である体」は常体だと教えられます。

「です」「ます」の助動詞は、文法的には尊敬の機能があるとされ、その中でも敬語とは相違する丁寧語のグループに入れられています。「です」と「ます」はやや用法は相違しますが、いずれにせよ相手に対する何らかの敬意が込められて利用される言葉です。

対して「である」は、文法的には断定の助動詞「だ」の連用形「で」に補助動詞といわれる「ある」が付いて成り立ち、断定の機能がともなわれます。断定の助動詞の「だ」も独自に利用されるため、併せて「だ・である体」と表現されることもあります。

「である体」については、「である」と名付けられている割にはすべてのセンテンスが「だ」や「である」で結ばれるわけではなく、動詞の過去形、もしくは終止形で結ばれる文末も多いのが実際のところです。文末にこだわらず、常体の文体ということで、実際には普通の新聞記事の文体といって差し支えないと思います。「である体」では、話題に挙げられている人や読み手に対する敬意が省かれ、フラットに事実が報告されたり、もしくは主張が伝えられたりすることになります。※1

 

「である体」の傾向と対策

「である体」の文体をご用命いただく場合、何点かご注意いただきたいことがあります。「ですます体」での発言を「である体」に変更すると、①その発言に込められた敬意は削ぎ落とされ、②柔らかい会話体の発言は簡潔で硬い報告文体に変更されてしまうためです。

 

1)挨拶的な発言について

挨拶などの目前の聴衆に向かってのみ話される言葉は、実際にはほぼ全てのケースで「ですます体」もしくは「ございます体」であるため、特に以下のように敬意と切り離しにくい発言、またその場限りの聴衆向け発言は、機械的に「である」に置き換えると奇妙な文章になってしまいます。

 

「おはようございます。今日は朝早い時間にもかかわらず、ご参集いただきましてありがとうございます。当会の山田でございます。」

 

(である体への言い換え例1)「おはよう。今日は朝早い時間にもかかわらず、ご参集いただきありがとう。当会の山田だ。」

せっかくの丁寧なご挨拶が逆に居丈高な印象さえ与える奇妙な文章になってしまいました。

 

言い換え例2=アドレス的な処理としては、以下の方式が考えられます。

1)「おはようございます」→「おはよう」ではなく、省略。

2)「ありがとうございます」→「ありがとう」ではなく、「感謝申し上げる」に言い換え、もしくは省略。

3)「山田でございます」→「山田だ」ではなく、省略。

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※もともと「である体」という報告用の文体を利用するのならば、上記1)と3)などの目の前の聴衆向けの発言は、報告文に影響を与えるものでもありませんので省略するという選択もあります。特に3)の名乗りについては、テープおこしでは発言者名も毎回記しますので、実質的に情報としての重要性はないため、省略しても差し支えなさそうです。

※その場限りの発言としては、他では例えば、「次のスライド(の上映)をお願いします」という発言もその類いとなります。この発言も省略してもよいのではないでしょうか。

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2)本論での違和感

「である体」は簡潔な報告文体であるため、「ですます体」の発言語尾だけを「である」と置換すると、文章的な不完全性・省略が目立つようになります。

 

石川県の県の花はクロユリですし、東京はソメイヨシノです。

(である体への換言例1)石川県の県の花はクロユリであり、東京はソメイヨシノ

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※よく言われる「私はコーヒー(I am coffee.)」的な省略文となり、そこだけを読むと違和感の残るフレーズになっています。例文はまだ元の意味が想像しやすい例ですが、「日本は原発だ」「東京はCO2だ」となると、文体がもともと簡潔であるがために、いよいよ不自然な印象が強くなってきます。

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アドレス的な処理としては、たとえば、以下のようです。

(である体への換言例2)石川県の県の花はクロユリであり、東京はソメイヨシノが都の花だ」

 

3)インタビューや質疑応答などのやり取りについて

「である体」への文体変更に際して、一番問題になるのが、質疑応答や意見交換のシーンです。もともと込められていた敬意が「である体」ではまったく削り落とされて質問は詰問調になり、回答もぶっきらぼうになります。また、質問者も回答者も準備もなく急に発言することになるため言葉が断片的になりがちで、初めて読むと滑稽な感じすらすることもしばしばです。

 

A:石川県の県の花はクロユリですが、東京の都の花は何でしょうか。

B:東京はイチョウだったかな。

C:いいえ、違います。東京はソメイヨシノです。イチョウは都の木となります。

A:そうですか。ソメイヨシノも木ですが、その桜の花を指しているのですね。

C:そのとおりです。ですから、東京はソメイヨシノなのです。

 

(である体への換言例)

A:石川県の県の花はクロユリだが、東京の都の花は何か。

B:東京はイチョウだったか。

C:違う。東京はソメイヨシノだ。イチョウは都の木となる。

A:そうか。ソメイヨシノも木だが、その桜の花を指しているのか。

C:そのとおりだ。だから、東京はソメイヨシノなのだ。

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これだけの短い遣り取りも読みようによっては、お互いぶっきらぼうで喧嘩腰の態度になっているように読めないでしょうか。これが延々と続くと和やかな座談も些細なことで言い争っているかのようです。

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ご発注に際して

「である体」でご用命いただく際には、上述の「である体」の性格、すなわち①敬意が省略されることと、②文章的な不完全性・省略が目立ちがちになることをご了承ください。

その上でのご発注いただけるようでしたら、お勧めは次の二つの方式(パタン)です。

1)敢えてそのままで「ある体」仕様で発注する。

上でいろいろ「である体」化についての難点を挙げていますが、実際のところ、機械的に「である」に置換した文体での仕上げをご用命いただくケースも少なくありません。これは、敬意が省略されて奇妙な文章になっていたり、省略が多くて読みにくい文章になったりしても、お客様が報告書を作成する素材としては取り敢えず十分との判断でご用命いただいているものです。もちろんこうしたリクエストもお受けしますので、ぜひご用命ください。

 

2)「である体」仕様をご用命いただく際に、その場限りの発言の割愛や、省略された言葉の補足などの文章の整理も一緒にリクエストいただく。

この方式ならば、挨拶部分などの発言は割愛するなどして読みやすい文章に整理してお届けします。

※ただし、この方式でも質疑応答・意見交換の部分については、敬意なき応酬になるしかありませんので、この点はご注意ください。代替案として報告・講演は「である体」でまとめ、質疑応答部分だけ「ですます体」で再現するという選択もあります。ただし、この方式では、報告部分と質疑応答部分の文体が相違するため、この二つの部分の文体ギャップが発生します。一文章に二文体が同居することになるわけですが、小見出しを付けたり、レイアウトを変えてみたりとギャップが気になりにくいように処理してみてはいかがでしょうか。

 

 

※1 断定の助動詞「だ」は、「ね」「よ」などの補助語を伴って会話にも利用されます(「~だよ」「~だね」)。補助語を伴うことによって断定的な意味合いが薄められて報告調ではなくなり、簡潔・率直で親しみが込められた表現になっています。硬く主張が強いため相手との距離を感じる「だ・である体」は、補助語が付加されるだけで「ですます体」よりもぐっと親近度が増す、という面白い現象です。

何でもおすすめ! その21 ~ 京都の豆腐料理

大人になると舌だけでなく知識や理性をもって食べ物を味わうようになるといいますが、私がそのような大人になれたかはともかくとして、ここ数年は豆腐が子どもの頃より美味しく感じるような気がします。

 

というわけで、昨年夏に京都の友人を伴って、嵐山にある湯豆腐の名店「竹むら」さん(http://www.tofu-takemura.com/)に行ってきました。

 

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湯豆腐の豆腐は氷水に入った状態で運ばれてきて、茹で過ぎないように、食べるときにその都度鍋に入れます。

鍋底に敷かれた大きな昆布の上に豆腐を置いて少し待ち、豆腐がぐらりぐらりと揺れだしたら食べ頃です。

舌に乗せるとふわりと蕩けていく食感は、これまで私が知っていた豆腐のイメージを一緒に溶かしていきました。

 

ちなみに、こちらのお店は香り高い胡麻豆腐も有名です。

 

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 わさび醤油で頂きます。

ねっとりと濃厚な味わいで、香りもわさびに負けません。

格式高そうな店構えですが、雰囲気が和やかで女将さんも親しげに話しかけてくださるので、気軽に入れます。

京都嵐山に行かれる機会がありましたら、ぜひお立ち寄りください。

                                                                                 (TTL制作部 K.I.)

何でもおすすめ! その20 ~ 福光の甘酒

 今冬の金沢は、まとまった雪がまだ2~3回しか降っておらず、近年記憶がないくらいの暖冬です。お正月もポカポカ陽気に誘われて、初詣や初売りは例年以上に人が多く、北陸新幹線フィーバーはまだしばらく続くのかなという感じがしました。

さて、金沢名物は新幹線効果でもう発掘され尽くした感があるので、私がおすすめしたいのは、私の故郷でもある富山県の旧福光町(現:南砺市の明治28年創業の老舗、「石黒種麹店」の甘酒です。福光という町はお隣の県でありながら、金沢から車で40分、比較的アクセスしやすい場所にあります。

種麹とは、麹の素のことで、味噌や醤油、かぶらずしなどを発酵させるために使われます。昔ながらの製法で種麹を造っている店は全国でも10店余りしかなく、金沢・富山の有名漬物店などでも使われています。このお店では、種麹で造った味噌や粕などを購入することができます。


中でも、麹入門編としておすすめなのが甘酒です。砂糖や甘味料を一切使っておらず、自然の優しい甘みで飲みやすいのが特徴です。甘酒はその成分が似ていることから「飲む点滴」ともいわれます。冬はもちろん温めて、夏もそのまま冷やして飲んだり、バナナジュースなどと合わせてスムージーにしてもいけます。

私は市販の甘酒が苦手なのですが、これなら抵抗なく飲めますし、当然アルコールも入っていないので、お子さんでも飲めます。以前は、自然素材に注目した東京のケーキ屋さんからも引き合いがあり、プリンに使う砂糖の代用品として使われていたこともあるそうです。大手通販サイトでも購入できるみたいなので、一度素朴な味を堪能してみてはいかがでしょうか。

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 石黒種麹店 www.1496tanekouji.com/

                                                                                                             (TTL制作部 M.K.)

何でもおすすめ! その19 ~石川の秘湯・名湯紹介

石川といえば、新鮮な海の幸、伝統文化で有名ですが、忘れてはならないのが温泉です。温泉番付として有名な江戸時代の「諸国温泉功能鑑」(1) においても、石川の温泉は山中温泉和倉温泉、中宮温泉のなんと三つが、大関有馬温泉草津温泉)には及びませんが、前頭に格付けられています。石川の温泉は硫黄泉や酸性泉のようなワイルドさは少ないのですが、効能あらたかな滋味深く優しいお湯で、古くから地元民、旅人を癒してきたのでした。
これからの季節、例えばカニ料理と温泉を一度に味わったらもう石川を知らなかったころには戻れないかもしれません。

今回は、温泉好きが高じて「別府八湯温泉道」(2) で「温泉名人」(3) の称号を得たTTL制作部Sが、石川の秘湯・名湯を紹介させていただきます。(あえて前頭に選ばれた以外の温泉です)

岩間温泉 山崎旅館

泉質:塩化ナトリウム物泉
石川が誇る霊峰白山の秘湯の宿。あずき壁というかつての難所であった細い道を進んでいくと、ひっそり佇んでいる山崎旅館にやっとお目にかかります。
ここは、温泉を守り続けるために自然環境の保持・保全に取り組む山の宿の集団「日本秘湯を守る会」(4) 会員宿でもあります。(石川県では現在3軒)
お風呂は内湯と混浴露天風呂で、露天風呂には脱衣所に用意されている速乾性に優れたタオルを巻いて入ります。岩の露天風呂に浸かり、山々と空を眺めていると、かつてこんなに白山の大自然と一体化したことはなかったという気持ちになりました。一風呂浴びた後は、湯上り処に用意されている六万石の清水で喉を潤します。
とにかく秘湯ならここです。ただし時期によっては毛虫の大量発生に当たりますので注意です。

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白山杉の子温泉
泉質:アルカリ性単純温泉
源泉100%が売りの温泉。温泉を目指して国道157号線を走ると、「飲める温泉」という登り旗が幾つも立っています。しかし温泉の見た目はまるで工場か倉庫のようで、意識しなければ通り過ぎそうです。建物内に入るとギャラリーがあったり、山菜が売っていたり、温かみのあるところです。
浴室はこじんまりとしていますが、本格的な檜風呂が鎮座し、そのお湯が本物であることを語っているかのようです。仕切りがあり、少し温度が違ったように思います。掛け流しと自信を持って宣伝しているだけあって、湯上りはしっとり温かです。
店番の奥様が描かれたのか、クリエイティビティ溢れる貼り紙もツボです。
ドライブがてらぜひ。

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法師
泉質:ナトリウム硫酸塩泉
開湯1300年の粟津温泉、そこの老舗といったら法師(ほうし)です。世界最古の旅館としてギネスブックに載っていました(現在は山梨県慶雲館)。
ここは温泉もそうですが、素敵な部屋と庭園が楽しめます。例えば、「新春の館 特別室 朝賀」は1室に本間・次の間・応接室・炬燵間と四つの間があります。障子を開くと庭園が現れ、そこから直接外に出て散策もできます。苔むした庭からは、長い粟津温泉と法師の歴史が伝わってくるようです。
温泉は、女性用大浴場「艶明(えんめい)」と男性用大浴場「豊明(ほうめい)」があり、広い内湯と露天風呂が併設されています。浴槽には福井県特産の笏谷石(しゃくだにいし)とインド砂岩が使われており、無色透明の柔らかいお湯をさらに柔らかくしています。清潔感のある壮大な温泉に浸かると、由緒正しい旅館の良さを再確認できます。
粟津温泉総湯は最寄駅から徒歩ですぐですので、こちらに立ち寄るのもおすすめです。

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銭がめ
泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉
湯涌温泉の中心街から離れた山あいにある一軒宿。
古代檜の大きすぎず小さすぎない浴槽に、湯涌の温泉が掛け流され、広い窓からは雄大な自然以外何も見えません。金沢に住んでいてよかったと思わざるを得なくなります。温泉成分による檜のツルツル感はいつまでも楽しんでいられるぐらいです。
ここはぼたん鍋も有名だそうで、掛け流し温泉とぼたん鍋と酒に浸るのは私の憧れです。
石川にお越しになる際は、いっそ湯涌の山奥にこもり、画家・竹久夢二とその恋人・彦乃ごっこを楽しんでみてもよいかもしれません(二人が逗留したのは近くの「お宿やました」ですが)。

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どこかの温泉に少しでも行きたいと感じていただければ幸いです。
県内には他にもおすすめの温泉はたくさんありますので、これからもまたご紹介できればと思います。
石川県でお待ちしております。

 
<注>
(1)諸国温泉功能鑑:ウィキペディア「温泉番付」 
   ※江戸時代の番付には横綱はなく、大関が最高位になっています。
(2)別府八湯温泉道 http://onsendo.beppu-navi.jp/

(3)温泉名人

   ※認定状と名人だけに許されるブラックベルトならぬブラックタオル。

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(4)日本秘湯を守る会  http://www.hitou.or.jp/

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・岩間温泉 山崎旅館 http://www.iwama-onsen.jp/
・白山杉の子温泉 http://www.day-onsen.com/sisetu/4/sisetu4607_home.html
・法師 http://www.ho-shi.co.jp/
・銭がめ http://zenigame.com/

 

                                                                                                 ( TTL制作部 M.S.)

 

 

「聞き書き」ムーブメントについて

今回は、私たちの仕事には直接関係ないのですが、まったく関係ないとも言い切れないことについて少し紹介してみます。

皆さんは「聞き書き」という活動をご存じでしょうか。文字通り、人の話を聞いて文字にすることで、特にお年寄りや貴重な体験をされた方などの話を聞き、それを文章にする活動を指しています。この聞き取りと文章化のプロセスをあえて「聞き書き」と名付けて広く活動している方々が最近は少なくありません。以前から、戦争や震災の貴重な体験などを聞き取りして記録に残こすことはありましたが、こうした聞き書きは主にマスコミや研究者、また場合によっては国や市役所などの公共セクターが行っていたケースが多かっただろうと思います。

 

実は、近年この「聞き書き」が静かなムーブメントになっています。このムーブメントとしての「聞き書き」の担い手は、マスコミや研究者でもない普通の方々です。普通の人が、近所のお年寄りや職場の知人、関心の向いた職人さんなどにインタビューをして、それを文章にまとめている点が特徴です。人が身の回りで好きに行っていることですので、ほとんど趣味の次元と言えるのかもしれません。実際にその同好の士で集い合って情報交換したり、技法を教え合ったりして楽しく行われるケースもあるようです。

 

少し違うのですが、聞き書きムーブメントとして比較的よく知られたものでは、「聞き書き甲子園」という催しがあります※1。これは個人的な趣味の聞き書きではなく、農林水産省など国の後押しでここ何年間か実施されているそうです。高校生が農林水産業に従事される方を訪ね、話を聞き、それをまとめ、成果を発表し合うイベントとなっています。企画者としては若年人口の農業理解が深まることを企図していると思いますが、確かにその生業を何十年も重ねてきた方のお話をじっくり聞く機会があれば、貴重な体験になるのではないでしょうか。中途半端な一日体験よりもずっと<異文化>としての農業・農家(漁業・漁師)の理解が進むように思います。

 

この「聞き書き甲子園」は催し物として制度化されていますが、その盛況を支えるかのように、多くの人々の間に草の根的に「聞き書き」が広がっているのが現在ムーブメントの最大の特徴です。この草の根的なムーブメントは、もちろんマスコミによる戦争の聞き取りと同じように文化や経験を後世に伝え残そうと書き記している面もあるでしょうが、それよりも何よりも、聞き手が対象の人その人について深く知りたいという強い欲求に支えられているように見えます。私がうかがった方は、会社の上司が素晴らしい人なので、どうしてこんな人物が出来上がったのか、その来歴を知りたいのでインタビューをしたいとおっしゃっていました。その人について深く知り、その人の人生を少しでも追体験したいということなのだと思います。素敵なことだと思いますが、どうでしょうか。

 

ところで、話が冒頭に戻りますが、今回の文章は「私たちの仕事に直接関係しないのですが・・・」と書き始めていました。というのも、この「聞き書き」は、テープおこしを別の人に任せることが滅多にないからです。聞き書きをする人から「テープおこし(文字おこし)が楽しくてしょうがない」とうかがったことがあります。そうくると、文字おこしを商売にする私たちのような会社は出番がありません。テープおこしの労力の肩代わりを私たちはビジネスにしていますから、もし、皆さんが「楽しくてしょうがない」とテープおこしを自前でされてしまったら商売あがったり、です。

 

しかし、こうした「楽しくてしょうがない」という声は、私たちがテープおこしを生業とし続けている原点を思い起こさせてくれます。「聞き書き」をしている方々と同じく、私たちの仕事も人間のことを深く知りたいという欲求に支えられ、突き動かされているように思うのです。それは別にインタビューに限りません。講演でも会議でも発話の形態にかかわりなく、おしなべて話し手を通して同時代の人間のリアルな声が私たちの耳には入ってきます。毎日来る日も来る日もコツコツとテープおこしをするのは本当に地道で骨の折れることですが、この仕事に没頭できるのは、人の営みについて知りたいというモチベーションに支えられているのだと思うのです。

 ※1. 聞き書き甲子園 http://www.foxfire-japan.com/

何でもおすすめ! その18 ~金沢忍者寺 妙立寺

前回に引き続き、金沢の観光地についておすすめしたいと思います。

私は地元金沢生まれの金沢育ちなのですが、だからこそか、兼六園くらいにしか観光地に足を運んだことがなく、地元の観光地についてはあまり知りません。ところが、先日、機会があって妙立寺に行ってきました。

 

妙立寺(みょうりつじ)は忍者寺とも呼ばれ、恐らくこの別名の方が知られていると思います。忍者とはまったく関係がないのですが、隠し階段・隠し部屋などの仕掛けが多いため、いわゆる忍者屋敷を彷彿させられてこの名前で呼ばれることになったようです。実際に拝観の際には、仕掛けが素人目には分からず、道に迷ってしまうことから、係の方に案内されて見て回ることになります。

 

外見からすると小さくこぢんまりと見える建物ですが、外観が2階建にもかかわらず、内部は4階建ての7層構造(中2階、中々2階がある)となり、階段が29箇所もあり、小さい割には不思議と広いというか、大人数が潜める構造になっています。

 

拝観時は、30分ごと、1グループで20~30人、4グループほどまで受け付け、各グループが順路をずらして一気に見て回ります。そのため、事前予約なしでお寺に着いても、空きがあれば拝観が可能です(事前予約されてない方はこちらへ、という案内もあります)。ただし、午前9時~午後4時半(冬は午後4時)の時間で、きっちり30分ごとの案内になるため、待ち時間を減らすためにも事前予約をした方が確実なのは間違いありません。

 

お寺の見どころは、やはり複雑な部屋の構成でしょう。ふすまを開けると階段があったり、落とし穴の細工があったり、仕掛け自体も十分面白く、様々な仕掛けを見ていくうちによくこれだけの仕掛けをよくこれだけの建物に収めたものだと感心させられます。
また歴史に興味のある方にとっては、このお寺を建てた加賀藩前田家が、徳川幕府を含めた外的の攻撃に対してどのように備えていたか、その一端が見えて面白いかもしれません。

 

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あいにくと駐車場がないのが困りものですが(付近の駐車場を利用することになります)、公共交通機関を用いて徒歩で来た場合は、その後周囲のお寺をめぐってみるのもいいかもしれません。私の場合、妙立寺を出てから中心街へと向かう途中、ふと目についた「お寺カフェ」にも入ってみました。文字どおり、お寺の本堂の隣室がカフェという一風変わったカフェで、歩いて疲れた足を休めるにはちょうど良かったです。

 

最近金沢では観光客誘致に努めていますので、駅でもレンタル自転車を増やし、観光地を回りやすく案内しています。
ぜひこの機会に金沢を訪れてみてください。

                                                                                                   (業務部 Y.K.)